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パズルー番外編ー
第6章 契約
「だけどそれって、契約になるの?その言い方じゃまるで、出来ることだけして、あとは家に居れば養ってやるって言ってるように思えるんだけど。そんな内容で、あなたにどんなメリットがあるの?」

幸村さんが、ふっと笑った。

「そうだよ。誰かにいて欲しいんだ。夜、明かりのついた家に帰って来たい。誰かの声のする家に帰って来たいんだ。」

切実な、願い。この人も、寂しいんだ…

「…あなたと私…似てるわね…私も…家族を亡くして、早く家庭を作りたかった…」

本音がポツリと漏れたら、同時に涙も出て来ちゃった…

「そうか…だから、放っとけないのかもしれないな…」

お互い、コーヒーとホットミルクを飲んだ。

「期間は、いつまで?」

「…君が、バカなことを考えなくなるまで…でどう?それか、新しいパートナーができるまで。ま、それは俺にも言えるけど、俺は…別に積極的に婚活するつもりもない。亡くなった嫁さんに操立ててるつもりもないけど、まだ、昔みたいに付き合える気がしない。だから、気にしなくていいよ」

「本当に、甘えても、いいの…?」

「甘えられちゃ困る。出来るだけでいいから、頑張って。これは、お互いの利害が一致した、ってだけの、あくまで契約、ってことで。」

私はふふっと笑って頷いた。

「わかりました。よろしくお願いします。」
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