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パズルー番外編ー
第7章 心配
ケイちゃんの部屋で喋る。
ケイちゃんはベッドに胡座をかき、クッションを抱えた。

「もし、その人のトコに行くことになったらさ、キヨ、出てくんだよねぇ…」

「でも、遠くないよ? しばらくは今のクリニックで働くし。」

「でもさー。急じゃん? そりゃあ彼と住む部屋が決まった!ってなったって出てくんだけどさぁ。こないだ彼が亡くなったって聞いて、もう暫くウチに居ると思ってたから、なんだかねぇ…」

「幸村さん、ね。引っ越す時、私そんな荷物ないから、わざわざ迎えに来てもらわなくても、電車で行けるって言ったら、急に家を出て行くって言ったらきっと友達が心配するって。大事な友達なのに、そこでギクシャクしたら申し訳ないから、自分が行って、怪しいモンじゃないってことは説明したほうがいいって言ってくれたんだ。私の体調のこととか、仕事のこととか、すごく心配してくれて。初めて会ったヒトだけど、いいヒトだと思う。」

「…そう。キヨ、今、亡くなった彼と出逢った時と、おんなじ顔してる。」

「え?」

「バスで痴漢から助けてくれたの!すっごくいいヒトなの!」

ケイちゃんは胸の前でお祈りみたいに指を組んで、うっとりした顔で言った。
…私、そんなこと言ったっけ…
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