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手を繋ごう〜愛憎II〜
第11章 遊園地
そんな光景を隆は隣のゴンドラで見ていた。

「観覧車で俺らイチャイチャするんで、その勢いで告白して下さい」

と、ゴンドラに乗る前に誠に言われていたものの…

(あれ、それ以上にやってないか?)

と、他人の情事をみたいとは思わない隆は、顔を赤らめて誠にツッコミを入れたくなる。

丁度後ろ向きに乗っていた美咲は、無言な隆に

「どうしたの?」

と聞く。

すごく気まずい隆はコホンと咳払いし、

前のゴンドラを見ながら

「あ、ああ…今日は楽しかったか?」

と聞いた。

目を合わせる事なく、違う所を見ているのに気付いた美咲が隆の視線を辿り、前のゴンドラの光景を知る。

「んなっ!ちょっ!誠くん達!えっ?何?」

と、美咲は驚きを隠さずに前のゴンドラに釘付けになっている。

(ああ…あとで誠をぶん殴らなくてわな……)

と、思いつつ、スーッと息を吸った。

そして、

「俺たちも、する?」

と、聞く。

美咲は動揺した顔で

「な、何を?!」

と、言う。

そんな美咲に隆は

「キス。」

美咲は隆の発言に驚いたように

「え、えええええ?どうしたの隆?前のゴンドラを見て何か気でも狂…っ」

と捲しかけている美咲に

「俺じゃ、だめか?」

と聞く隆。

「だめも何もなく…何て言ったら…」

と、顔を赤らめ、俯く美咲に

「まだ元彼と別れて日が経ってないから、言わないつもりでいた。
もう少し様子見てから言おうと思ってた。それまでは…いつものように接そうと思ってた。
…けど…」

そこで、ふー…と息を吐き

「誠のバカ野郎があんな背中の押し方するからさ。こっちも男が廃るしな。」

と、苦笑いして美咲を見る。

「隆…」

美咲は呟くように言う。


「お前の事、小学生の頃から好きだった。ずっとずっと…お前の事だけ見てた。これからも、俺、お前の事だけ、見続ける自信ある。」

そこで、また張り詰めていた糸をほぐす様にハーッと息を吐き

「良かったら、俺と付き合ってくれないか?」


隆は込み上げてくる感情を必死に抑える。
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