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手を繋ごう〜愛憎II〜
第27章 静かな日常と影
ゆうはだまって、クラスを見渡し、空席を確認する。
(やっぱり、榎本くん、来てないか……)
遅刻かもしれない。
けれど…。
ゆうは口を開いた
「まず、一つは、被害に遭った子の話です。今、治療を受けていて、まだ病院やご両親に、何も話せていない…そんな状況です。恐らく、少し時間が必要でしょう。」
その言葉に
「は、犯人は?犯人は目星は立ってんの?」
「犯人の目星はついてません。…けど、警察の捜索で1階の角の空き教室に男性のものと思われる体液が見つかったとのことです。ごめんね。内部なのが外部なのかわからないの」
と返した。
「混乱をするから、目星い人がいることは言わないように」
と、口止めを受けているからだ。
「で、でも1階の角の空き教室って、あまり人通りが少ないから、そう言うの良く知ってる人なんじゃねぇの?」
あまりにも鋭い質問にゆうはうっと思いつつ、
「ごめんなさいね。今は慎重に捜索している段階だから、詳しくは言えないの」
と、口走り、しまった…と思った。
何かを隠していると言う事を悟らせちゃいけないのに、こんな風に話したら、更なる突っ込みが入るじゃないか!!
そう思っていると、やはり
「教えてくれよ!こっちは怖くて眠れねぇんだよ!」
などザワザワクラスが荒れ始めた。
そこにパシンと机を叩く音がする。
誠だ。
シンとなり、クラスの視線が誠の方へ向いている。
「俺も現場にいて、怖くて不安で、何回も起きてる。けど、今騒いでてもなんも解決はしないんだ。学校に任せるしかないんじゃないか?」
その声に、また、シーンとなる教室。
(流石、発言力のある子が出ると違うわね…)
ゆうは、こんな場合ではないのに、誠に関心する。
(やっぱり、榎本くん、来てないか……)
遅刻かもしれない。
けれど…。
ゆうは口を開いた
「まず、一つは、被害に遭った子の話です。今、治療を受けていて、まだ病院やご両親に、何も話せていない…そんな状況です。恐らく、少し時間が必要でしょう。」
その言葉に
「は、犯人は?犯人は目星は立ってんの?」
「犯人の目星はついてません。…けど、警察の捜索で1階の角の空き教室に男性のものと思われる体液が見つかったとのことです。ごめんね。内部なのが外部なのかわからないの」
と返した。
「混乱をするから、目星い人がいることは言わないように」
と、口止めを受けているからだ。
「で、でも1階の角の空き教室って、あまり人通りが少ないから、そう言うの良く知ってる人なんじゃねぇの?」
あまりにも鋭い質問にゆうはうっと思いつつ、
「ごめんなさいね。今は慎重に捜索している段階だから、詳しくは言えないの」
と、口走り、しまった…と思った。
何かを隠していると言う事を悟らせちゃいけないのに、こんな風に話したら、更なる突っ込みが入るじゃないか!!
そう思っていると、やはり
「教えてくれよ!こっちは怖くて眠れねぇんだよ!」
などザワザワクラスが荒れ始めた。
そこにパシンと机を叩く音がする。
誠だ。
シンとなり、クラスの視線が誠の方へ向いている。
「俺も現場にいて、怖くて不安で、何回も起きてる。けど、今騒いでてもなんも解決はしないんだ。学校に任せるしかないんじゃないか?」
その声に、また、シーンとなる教室。
(流石、発言力のある子が出ると違うわね…)
ゆうは、こんな場合ではないのに、誠に関心する。