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手を繋ごう〜愛憎II〜
第8章 イタズラ
ふわり…
(良い香り……)
漂って来た香りは自分の家のシャンプーの筈なのに、何か違う気がする。
ぎゅー…と誠も萌に抱きついていた。
(ああ…抱き合うだけで幸せだな…)
そんな思いに駆られながら
(なんか忘れていた事が……そうだ。帰って来た時の萌の姿に欲情しちまったけど、それどころじゃないんだ)
パッと隆の顔が思い浮かんだ。
そこで萌に、
「あの…さ、こないだ美咲さんの事おいおい話すって言ってたろ?
隆先輩が勘付いてたみたいで…。
なんか萌、知ってる事があれば教えてくれないか?」
と、萌に言う。
萌は顔を曇らせながら
「そっか…やっぱり丸山先輩、何か気付いてるんだね…」
と言った。
萌は美咲から聞いたことを誠に全て話した。
誠はぎゅ…っと手を握りしめ
「なんだよ…それ…」
と言う。
(確か低用量ピルでも、すごく体に負担がかかるって聞いたことある。アフターピルなんてもっと倍の負担があった筈だ…)
それを二つ飲んでいるとするとしたら、凄く体が危険だ…。
「美咲先輩の相手に対する気持ちは?」
不安で仕方がなくてする行動から、確認することでもないが、誠は確認することにした。
「もう、別れたいって。別れようって何回も言ってるんだけど、縋り付かれるって…。」
「縋り付かれるのかぁ…」
うーん…と誠は考える。
そして、ピンッと閃いた。
「なぁ、萌?これ、隆先輩に話しても良いか?」
(こっちで作戦練ればなんとかなるかも…)
「……美咲先輩は背負わせたくないって言ってるけど、…うん。隆先輩とかが介入した方が良いと思う…」
と言った。