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第7章 北川 樹

遙の出産予定日は、2月20日…頃。
でも、この出産予定日というものは狂うことが前提らしく。
赤ん坊が生まれるのに十月十日、とはいえ、40週で生まれる保証はどこにもない、らしい。
経過が順調なら、38週頃には外に出ても充分対応できる状態に育っているらしく。それを過ぎたらいつ生まれてもOK、で。
でもそれ以前に産気づくことも当然あって。
赤ん坊が小さ過ぎる場合は、外界に対応できる体力が付くまで保育器に入る、ということらしい。

早いことがある、ということは当然遅れることもある。
遅きゃ良いってもんでもなくて、腹のなかに居すぎると、そのぶん成長する。赤ん坊がデカくなり過ぎると分娩時の負担が大きくなるから、予定日を過ぎても全く生まれる気配がない場合は、陣痛促進剤とやらを使うらしい。

病院によっては、昨今の産科医不足の影響か、自然に任せて夜中や突然の分娩にならないよう、あらかじめ予定日を決めて促進剤と張り止めという薬を駆使し、予定通りに産まれるようにする、ところもあるらしかった。