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第1章 井上 未玖
夕食後、食器をシンクに下げに行った時を見計らって、私もキッキンに行った。
「あのね、お母さん。明後日の金曜、外泊するからご飯は要らないから。」
「あらそう。解ったわ。」
お母さんはサラッと頷いてくれて。良かった、と思った瞬間。
「外泊って誰のトコに泊まるんだ?」
お父さんが冷蔵庫のドアに手を掛けていた…
「お父さん、未玖ももう社会人なんだし、そこまで詮索しなくてもいいじゃない。」
お母さんのフォローをものともせず、
「疾しいところがなければ答えられるだろ?」
お父さんは片眉を上げ、値踏みするような目で、私を見た。
「…と、友達…」
「女のコだろうな?」
「…………」
「男だったらダメだ。遅くなってもいいから帰って来い。何なら俺が迎えに行くから場所教えろ。」
「あのね、お母さん。明後日の金曜、外泊するからご飯は要らないから。」
「あらそう。解ったわ。」
お母さんはサラッと頷いてくれて。良かった、と思った瞬間。
「外泊って誰のトコに泊まるんだ?」
お父さんが冷蔵庫のドアに手を掛けていた…
「お父さん、未玖ももう社会人なんだし、そこまで詮索しなくてもいいじゃない。」
お母さんのフォローをものともせず、
「疾しいところがなければ答えられるだろ?」
お父さんは片眉を上げ、値踏みするような目で、私を見た。
「…と、友達…」
「女のコだろうな?」
「…………」
「男だったらダメだ。遅くなってもいいから帰って来い。何なら俺が迎えに行くから場所教えろ。」