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第3章 玄 徹匠

実際のとこ、俺は所謂、不良ではなくて。
授業もサボったこと無いし、成績も悪くはなかった。ガリ勉だったつもりもないけど、成績はクラスで10番以内をキープしてたし、部活もきっちりやってた。

そんな俺が、なんで金髪ピアスだったのか、というと、ソレは…ま、ただの反発と意地なんだけど。
寺の息子ってだけで、周囲からは品行方正であるコトを求められて。
長男の兄貴は、その期待に見事に応える優等生。勉強もスポーツもトップクラスだったし、家のこともきちんと手伝える。仏教系の大学に通って修行もして、今は副住職をしている。
俺は、同じフィールドに立っても兄貴に勝てる気がしなくて。
家族は皆、競うコトじゃないじゃないか、なんで比べるんだ？って感じだったけど。
他人の声ってイヤでも耳に入るじゃないか。
それはそれ、言いたいヒトに言わせておけばいい、とも言われたけど。そんな風に達観できないのが思春期ってヤツだろう。