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続・飼っていたペットに飼われています。
第37章 君の細い指の先には⑥(スイ目線)
「ちょっとぉ〜! いい加減にしてよスイくん。連れ帰ってやり直しじゃん! せっかく優しくお別れする時間をあげたのに。」
 ドア越しに底知れぬ力を持った同胞のシルエットが見えた。
 無駄だと知りつつ一応話をする。
「…なぁ、俺がムカつくなら俺だけを痛めつけるなり殺すなりすればいいだろ。サキに手を出すのはやめてくれないか。」
「そっちこそ、サキちゃんのことは諦めてよ。君なら他にいくらでもいるでしょ?」
「それはこっちのセリフだよ。俺はサキを絶対に手放す気はない。」
「もぉ〜! なんなの? いくらイケメンでもしつこい変態さんは嫌われるよ? サキちゃんの優しいお義兄ちゃんでいるなら消さないであげるんだけどな。」
「それもお前だろ。別に俺はサキがいないなら消えたってどうでもいい。とにかくサキから手を引け。」
「無理だって。スイくんがどこにサキちゃんを隠したって僕達がすぐ見つけちゃうのわかってるんでしょ? とにかくこんな状況侑斗くんが見たら大変だよ〜。下のロビーで待ってるから早く着替えさせてきてね。」
「……………。」
「逃げられないのもわかってるでしょ? サキちゃんに前みたいな遊びしてほしくなかったらさっさと言うとおりにしてね。はぁ〜、式延期しなきゃかなぁ…。」
 そういって去っていく足音を聞いたあと、呆然とするサキを置いて先に外に出る。
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