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続・飼っていたペットに飼われています。
第37章 君の細い指の先には⑥(スイ目線)
 しばらくしてシャワーを浴び終え、昨日のドレスに着替えたサキは俺の顔も見ずに玄関に向かった。
 その後ろ姿はきめ細かい肌が大きく開いて見えていて、明るいこの時間では不自然に目立つ。
「待って。」
 ドアノブに手を掛けようとするサキの腕を掴んで止めると、自分が着ていたスーツのジャケットを上から羽織らせ、そのままギュッと抱きしめる。
「俺以外の前でそんな格好すんな。……今は俺のこと憎くて殺したいほど嫌いかもしれない。また俺の事忘れるかもしれない。それでアイツの………嫁になるのかもしれない。それでも俺は必ずまたサキを見つける。見つけて絶対に好きにさせる。そしたら今度は忘れさせない。」
「…………そんなのっ、……だめだよ…っ。私のことは…、忘れて? …侑斗くんに、消さないように…お願いするから……。もう、離して?」
 涙混じりに俺の胸を押して訴えるサキを仕方なく開放する。
「……これ、返すね。私には受け取れない。ごめんね…。」
 左指からリングを引き抜くと俺の手に無理矢理握らせたあと、その行動とは全く伴わないようなことを言う。
「最後にお願いがあるの。……キスして?」
 混乱する頭のままに俺を惑わせるその唇に深く深く口付ける。
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