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続・飼っていたペットに飼われています。
第45章 本当は違うんだ。(スイ目線)
「……スイくん、随分上手くやったね? あの様子じゃサキちゃんもう君から離れられないじゃないか。」
 やや前を歩く高木壮一郎が意味有りげに笑いながらこちらを振り返って指をパチンとひとつ鳴らしたことで、これまで失っていた自分の生まれる前の記憶と感覚が一瞬にして蘇り、自分がしでかしたことの事の大きさと痛みに気が付いた。そして、こいつの正体も。
「……別に…。わざとじゃないんだ。まさか彼女があんなに俺の血を飲むなんて。それよりあんただろ? うまくやったのは。何がウチの場合は妻が他星ヨソからきた生き物、なんだ? それは本当はお前だろ? ソウイチロウさん?」
「おいおい、やめてくれよ。仰々しいなあ。久しぶりに会ったんだから父さんって呼んでくれよ、スイ。」
「ちょこっと遺伝子の中にお前の血が混ざってるだけで図々しいな? この体を提供してくれた持ち主に同情するよ、まさか俺が食べたあの水死体の正体こそがお前達の息子だったとはね。どうりでこんなに体に馴染むし、進化しても色んな感覚や才能が残ったわけだ。」
 コンクリートに写った日本人には長すぎる自分の影を見ながら、深いため息をひとつ吐いた。
「仕方なかったんだよ。サキちゃんを守るためにはね。それにあの子は私の息子じゃない、これもとっくにわかってるんだろう?」
「……ああ。最悪だよ。まさかサキが今回の………、『宇宙の子』だなんて。」

 サキが弾いていた月光の旋律が頭から離れなかった。
 いや…、まさしくこれは戦慄のメロディーを意味している。
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