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続・飼っていたペットに飼われています。
第44章 太陽のようだと君は言うけれど(スイ目線)

前開きのシャツワンピースである胸元はボタンとホールがギチギチと引き合って隙間から色んなものが見えてるしフレアスカートの下から伸びる長い脚も膝丈と言うにはさすがに短い。
あげく、ピンヒールのミュールを履いて少しふらふらしながら玄関に立って、
「スイ、おまたせ! これ昨日スイが1番あの頃の私に着てほしかったって言ってた服だよ。ねえ、似合ってる? 身長はあんまり変わってないから今でも…」
「似合ってない。全然まったく似合ってない。」
「え?」
自分の魅力にいつまでも気づかない彼女にイライラして嘘をつくと、キラキラしていた瞳が曇ってみるみる薄い膜が張って胸がスッとして更に傷つけたくなった。
玄関の前の姿見を使って、赤くなったり青くなったりする彼女の顔色を楽しみながらいつかのように説明をする。
「山の上に行くんだよ? なんでこんな風が吹いたらパンツ見えそうな短いスカートで行くの? あ! しかも下見えてもいいズボンとか何も履いてないじゃん。上も、キャミソールくらい着てよ。下とお揃いの白いブラもその中の谷間も横から見えてるよ? いますぐTシャツとジーパンとかに着替えてこいよ。」
「…………やだ。絶対これで行くんだもん…。」
「ああ? 早く脱げよ。犯されたいの?」
「やだ! 今日はスイが守ってくれるからいいんだもん…。」
「いい加減にしろ! なんで今日はそんな我儘なんだよ…。前はもっと大人しかっただろ?」
「……ごめん。そうだよね…。スイの言うとおり。やっぱりこんなの私らしくないよね。」
零れかける涙をグッと飲み込んで部屋へと戻ろうとした手を掴んで後ろから抱きしめても彼女の心には俺に対して壁を降ろしてしまっていて、腕の檻から逃げるようにしながら彼女は言った。
「スイ、急いで着替えてメイクも直してくるからもう少しだけ待っててくれる?」
「いや、いいよ。そんな時間もないし。ただ、中だけちゃんと着てきてよ。向こう待ってるから早くね。」
「わかってる。」
そこからサキは車に乗ってからもずっと悲しげに窓の外ばかり見つめていたし、俺は俺で彼女を何で傷つけてしまったのかわからず、当たり障りない独り言を続けてサキの機嫌が直るのを待っていたのに、またPAで変なこと言って悲しませるし。
本当に駄目な男だよな。ごめん、サキ。
何だか近頃ずっと、君を失いそうで胸の奥がざわついてるんだ。
あげく、ピンヒールのミュールを履いて少しふらふらしながら玄関に立って、
「スイ、おまたせ! これ昨日スイが1番あの頃の私に着てほしかったって言ってた服だよ。ねえ、似合ってる? 身長はあんまり変わってないから今でも…」
「似合ってない。全然まったく似合ってない。」
「え?」
自分の魅力にいつまでも気づかない彼女にイライラして嘘をつくと、キラキラしていた瞳が曇ってみるみる薄い膜が張って胸がスッとして更に傷つけたくなった。
玄関の前の姿見を使って、赤くなったり青くなったりする彼女の顔色を楽しみながらいつかのように説明をする。
「山の上に行くんだよ? なんでこんな風が吹いたらパンツ見えそうな短いスカートで行くの? あ! しかも下見えてもいいズボンとか何も履いてないじゃん。上も、キャミソールくらい着てよ。下とお揃いの白いブラもその中の谷間も横から見えてるよ? いますぐTシャツとジーパンとかに着替えてこいよ。」
「…………やだ。絶対これで行くんだもん…。」
「ああ? 早く脱げよ。犯されたいの?」
「やだ! 今日はスイが守ってくれるからいいんだもん…。」
「いい加減にしろ! なんで今日はそんな我儘なんだよ…。前はもっと大人しかっただろ?」
「……ごめん。そうだよね…。スイの言うとおり。やっぱりこんなの私らしくないよね。」
零れかける涙をグッと飲み込んで部屋へと戻ろうとした手を掴んで後ろから抱きしめても彼女の心には俺に対して壁を降ろしてしまっていて、腕の檻から逃げるようにしながら彼女は言った。
「スイ、急いで着替えてメイクも直してくるからもう少しだけ待っててくれる?」
「いや、いいよ。そんな時間もないし。ただ、中だけちゃんと着てきてよ。向こう待ってるから早くね。」
「わかってる。」
そこからサキは車に乗ってからもずっと悲しげに窓の外ばかり見つめていたし、俺は俺で彼女を何で傷つけてしまったのかわからず、当たり障りない独り言を続けてサキの機嫌が直るのを待っていたのに、またPAで変なこと言って悲しませるし。
本当に駄目な男だよな。ごめん、サキ。
何だか近頃ずっと、君を失いそうで胸の奥がざわついてるんだ。

