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続・飼っていたペットに飼われています。
第4章 再び彼のお世話を始めます。②(サキ目線)
 そして1週間後ー。
 ライブ終了後、事務所に戻って定例ミーティングを始めて早15分。
「こーちゃーん♡」「まーみぃー♡」
 サキの紹介で付き合い始めたコウヘイさんとマミちゃんはソファの上で向かい合って膝に乗りイチャついている。
「もしもーし! 今日夜会えそう?」
 リョウさんは片っ端から電話を掛け、スマホを常に離さない。
 ヤスさんは黙って窓に向けてタバコの煙を吐いていて、スイは隙あらばすぐにサキの腰に手を回そうとする。その手をピシャリと跳ねて、サキは静かに声を上げた。
「………いい加減にしてください!」
 みんなの視線が私に集中したのを確認し、話し始める。
「コウヘイさん! 毎回楽屋に彼女を連れてこないでください! リョウさん! ファンに手を出すのはやめてください! ヤスさん! 最年長なんですからちゃんと皆を注意してください! スイ! 最近同じようなメロディーと歌詞使いまわしすぎ! あと公私混同しないで! …皆さんは一歩外に出たらDEEP BLUEのKOUHEIであり、YASUであり、RYOでありSUIなんですよ? もっと自覚を持ってください!!」
 この1週間で、彼らに付いていて気になっていた事をぶつける。
 DEEP BLUEはとても才能のあるバンドだし、コアな音楽ファンの間では人気も高く、熱狂的なファンに支えられてそこそこ売れている。
 でも、最近はマンネリ化していると囁かれ、CDの売上も腹ばいの状態が続いていた。このまま飽きられてしまうことは想像に容易い。心を鬼にして続ける。
「初めて会ったとき、皆さん私に約束してくれましたよね? 必ず売れて良い暮らしをさせてくれるって。いつまで待てばいいんですか?」
「まあまあサキちゃん、俺らこの界隈ではそこそこ売れて…、」
 締まらない顔をしたコウヘイさんが口を挟もうとする。
「そこそこじゃダメ‼ 売れるっていうのはテレビに沢山出て、雑誌の表紙飾って、大きいステージのチケットが取れないくらいお客さんを集められるような人達のことを言うんですよ! 私、DEEP BLUEはどこより才能のある世界一のバンドだって思ってます。それなのに今日だって、デビューしたばかりのバンドに大トリ取られて悔しかったです…! なんで…、なんで…。」
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