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続・飼っていたペットに飼われています。
第51章 【裏】宇宙の子⑥

夜通し走り続けたお陰で翌日の夕方には門番の言っていた湖に到着した。
あとは対岸に回り込んで茂みの奥に隠されている宇宙船に乗り込むだけだ。
ところが…。
「トワ! お前この匂い…!」
トオルの器官を通して自分の鼻にもツンと刺さる女性独特の香りには覚えがある。毎月サキが苦しそうにお腹をさすり、渡してやった薬が効くまで布団から出られないあの日と近しい。
慌ててトオルが足を止めて振り返り、トワの足元を見ると膝下まである簡素な生成り色のワンピースの下にある細い足首に赤い液体がツッと伝った。
それを自分でも確認したトワが困ったように言う。
「来ちゃったみたい、生理。ごめん。でも、お腹とか全然痛くないし走れるから気にしないで進もう?」
「……マズイな。その、走れる走れないじゃないんだ。その匂いがマズい。多分近くに男が来たらみんなお前を手に入れたくなる。とにかくここ最近増してたフェロモン? みたいな物がいま爆発的に出てるんだ。多分これで親父にも居場所がバレる。ちょっと冷たいけどこの匂いを隠すために、水の中に入って対岸まで渡ろう!」
あとは対岸に回り込んで茂みの奥に隠されている宇宙船に乗り込むだけだ。
ところが…。
「トワ! お前この匂い…!」
トオルの器官を通して自分の鼻にもツンと刺さる女性独特の香りには覚えがある。毎月サキが苦しそうにお腹をさすり、渡してやった薬が効くまで布団から出られないあの日と近しい。
慌ててトオルが足を止めて振り返り、トワの足元を見ると膝下まである簡素な生成り色のワンピースの下にある細い足首に赤い液体がツッと伝った。
それを自分でも確認したトワが困ったように言う。
「来ちゃったみたい、生理。ごめん。でも、お腹とか全然痛くないし走れるから気にしないで進もう?」
「……マズイな。その、走れる走れないじゃないんだ。その匂いがマズい。多分近くに男が来たらみんなお前を手に入れたくなる。とにかくここ最近増してたフェロモン? みたいな物がいま爆発的に出てるんだ。多分これで親父にも居場所がバレる。ちょっと冷たいけどこの匂いを隠すために、水の中に入って対岸まで渡ろう!」

