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続・飼っていたペットに飼われています。
第50章 宇宙の子⑤

「そんなことない。馬鹿とは思ってるけど、この姿は割りと気に入ってるってスイは言ってる。」
「わかんの?」
そういって顔を上げたトオルの目に光るものを見つけて、トワは優しく微笑みながら頬に流れる雫をそっと唇で吸い取った。
「まあね。私、宇宙の子ですから。トオルみたいな暴君でも泣くことがあるなんて可愛いとこあるじゃん。」
「お前な…!」
怒ろうとするトオルの唇をトワが塞いだ。
しばらくそうしたあと、顔を離してトワは静かに言った。その目にはトオルと同じ美しい泉が溢れている。
「……幸せにする。私がトオルのこと、必ず幸せにしてあげる。何億光年掛かっても、必ず私が。」
「…どういうこと?」
「呪いかけた。トオルが必ず私を見つける呪い。何回転生しても、トオルは私のことを忘れられない。この記憶をずっと残すの。次に私と結ばれるまで、トオルはずっとずっと私しか愛せない。いつまでも忘れられない。そしたら今度は、兄と妹としてじゃなくて、ちゃんと普通に恋愛しよう? 子供も作ろう? 私、あなたを絶対に諦めない。」
「なんだよそれ。これから幸せになればいいだろ。俺達のことを誰も知らない別の星で。俺、頑張って働くよ。お前のために。」
「えー! できんの? 自分じゃ何もできないトオルが? 想像できなーい!」
あはは、とトワは屈託なく笑う。その笑顔は眩しくて、美しくて、少し悲しくて、間違いなく彼女の輝きは満月に近づいていると感じた。
その何とも言えない儚げな魅力は俺の彼女と同じものだ。特に最近のサキに限りなく近かった。
間違いなく幸せに近づいているというのに、俺達の胸を占めるこの不安はなんだろうな、トオル。
俺も近頃ずっとそうなんだぜ。サキが誰かに奪われそうで怖いんだ。
「わかんの?」
そういって顔を上げたトオルの目に光るものを見つけて、トワは優しく微笑みながら頬に流れる雫をそっと唇で吸い取った。
「まあね。私、宇宙の子ですから。トオルみたいな暴君でも泣くことがあるなんて可愛いとこあるじゃん。」
「お前な…!」
怒ろうとするトオルの唇をトワが塞いだ。
しばらくそうしたあと、顔を離してトワは静かに言った。その目にはトオルと同じ美しい泉が溢れている。
「……幸せにする。私がトオルのこと、必ず幸せにしてあげる。何億光年掛かっても、必ず私が。」
「…どういうこと?」
「呪いかけた。トオルが必ず私を見つける呪い。何回転生しても、トオルは私のことを忘れられない。この記憶をずっと残すの。次に私と結ばれるまで、トオルはずっとずっと私しか愛せない。いつまでも忘れられない。そしたら今度は、兄と妹としてじゃなくて、ちゃんと普通に恋愛しよう? 子供も作ろう? 私、あなたを絶対に諦めない。」
「なんだよそれ。これから幸せになればいいだろ。俺達のことを誰も知らない別の星で。俺、頑張って働くよ。お前のために。」
「えー! できんの? 自分じゃ何もできないトオルが? 想像できなーい!」
あはは、とトワは屈託なく笑う。その笑顔は眩しくて、美しくて、少し悲しくて、間違いなく彼女の輝きは満月に近づいていると感じた。
その何とも言えない儚げな魅力は俺の彼女と同じものだ。特に最近のサキに限りなく近かった。
間違いなく幸せに近づいているというのに、俺達の胸を占めるこの不安はなんだろうな、トオル。
俺も近頃ずっとそうなんだぜ。サキが誰かに奪われそうで怖いんだ。

