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続・飼っていたペットに飼われています。
第22章 【微裏】君と全てをやり直したい。②(スイ目線)
 自分のジャケットをかけて体を隠し、ぐったりしたまま意識の戻らないサキを部屋に連れ帰る。
 後ろから抱くようにして温かい湯に浸かりながら優しくマッサージしてやると、血行が戻り痛々しい赤い痕達はだいぶ薄くなった。数日もすれば元の綺麗な白い肌に戻るだろう。
 でも…、サキの心の傷はずっと残り続けるんだろうな。今日だけじゃない、今まで俺が関わってきたことのせいで彼女の心にはどれだけ多くの深い爪痕があるんだ?

 先ほど髪をまとめ上げたときに初めて気づいた、恐らく一生消えないであろう傷痕をそっと撫でる。
 こうして明るいところで見ればやっとわかるくらいのものだが、彼女の左の項には自分が以前激情のままにつけてしまった噛みあとがうっすらと残っていた。
 サキは悩んでいる時、仕事で嫌な男に絡まれたとき、気合を入れるとき…、様々な場面でよく首元を触る癖があると思っていたけどこんな理由があったんだな。
「ごめんな…。」
 その部分にそっと口付けたあと全身を優しく拭き、体を締め付けないように自分の柔らかいTシャツを着せてベッドに横たえた。

 眠った彼女の左手を取り、細長い薬指にそっと嵌めた指輪は想像通りサキにピッタリだった。細かいダイヤを散りばめたデザインは月の光をイメージしたものだ。そこに口付けて誓う。
「それでも…、それでもやっぱり俺はサキを手放せない。どうしても一緒に生きてほしい。こんな我儘を許してくれないか? もうこれ以上絶対に傷つけない。命を懸けて必ず守るから…。」
 当然彼女からの返事はない。
「…目が覚めたらもう1度言うよ。おやすみ。」
 その手を布団の中に戻し、部屋を暗くして、ある映像を確認する。
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