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続・飼っていたペットに飼われています。
第24章 春の風はいつも君に優しい。①(スイ目線)
 その後も彼女は俺が前に潰してしまい、ほつれを縫い直して飾ってあったトカゲのぬいぐるみをとても気に入り、一緒に布団に入った。
 横になった細いその体を優しく抱きしめながら残りの4日のことを思って尋ねる。
「来年はどこか行きたいところある? サキ。」
「遊園地、かな?」
「いいよ。約束ね。おやすみ、サキ。」
 そう言って額にチュッと口付けると、暗闇の中でもわかるくらい耳を赤くして俯きもごもご言う。
「…スイさん。子供扱いしないで」
「ごめんね、嫌なことして。サキが可愛くてつい。」
「……別に嫌じゃないけど。ねえ、舌見せて?」
 食事中と布団に入ってからは流石にマスクを外さざるを得なかったが、気づかれていたらしい。
「怖いよ? ほら。」
 少し口の外に舌を伸ばして見せるとサキはじーっとそれを見て呟く。
「やっぱりきれい。すごく。」
「そうかな?」
「うん。ちょっと歯がトゲトゲしてるのも好き。あと…、あと……。」
 そう言いながら彼女は眠りにつき13歳の夜は終わった。

 
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