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愛と欲と嘘
第3章 嘘
朝礼までに首元の偽装を終えてミーティング室に集合すると御局広瀬がギラリと眼鏡を光らせて私を見てきた。
あ、バレたかしら……。
「蜷岡さん、今日はいつもより化粧が濃いんじゃないの?」
「えっと……そうですか?」
「ええ。鏡見て来られなかったの?」
「朝、急いでたもので……」
首元の偽装をカモフラージュする為に顔のファンデも少し重ねた。
その微妙な変化を見破るなんて、広瀬さんコワイわね…。
おそらく、広瀬さんにキスマークを見られていたら虫刺されでは誤魔化せなかっただろう。