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初恋
第2章 窓の向こうに
パンツ見えそうだな……なんて
何色だろうかと想像しながら、窓枠にほおづえを付いて眺めてた。
俺に見られているとも知らず、向こうは呑気に笑っている。
声は届かないけれど口の形でわかる。
少女のように邪気のない笑い方は、彼女をより幼く見せていた。
何がそこまで面白いのかもわからず
俺はなんだか、苛立った。
すると
その子が顔をあげた。
俺がいるのは病棟の四階で
少し距離があるけれど、俺たちの目は互いに吸い寄せられていた。
俺は顔をそむけた。
急いでそむけた。
別に悪いことをしてたわけじゃないけど。