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***堕散る(おちる)***
第24章 step24十八段目…春
「もう18かぁ」

「まだですけどね。」

「どこか行きたいところある?」

「ハルトは?」

「ん〜温泉?」

「いいですね。」

「秘境の温泉とか?」

「旅行自体あまり行ったことがないから…」

「じゃあ任せとけ」

こうして、仕事場のモニターはひとつ旅番組に占領された。

三年生になり、クラス替えで仲の良かった友達とは分かれてしまった。
ほとんどの人が進学するらしく、就職を考えるワタシは、孤立している感じもあった。
授業などは真面目に受けるものの、学校は卒業したも同然の気分だった。

「ハルト、ただいま。」

「ここは家じゃないだろ?ルリ。」

「は、はい…」

「まあ、いっか、珈琲淹れて…」

ハルトは旅番組の画面ばかり見ていて、果たして仕事はできているのか不安になるほどだった。

「やっぱり、ずぅっと宿にいるんでいいか?」

「ハルトと一緒なだけで十分です。」

「俺も旅行とかわかんないし、とりあえず景色がいいところで、近くを軽く見てまわる感じだな。」

「はい、十分です。」

母には、旅行にいくとは言ってなくて、何人かの誕生月の友達とパーティーして泊まり込むと話してある。


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