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***堕散る(おちる)***
第24章 step24十八段目…春
「おいでルリ…」

ハルトが手を伸ばして招く。てっきり脚の間に引っ張られると思ったら隣に座らされた。

「ん…?どしたの?ルリ」

「え…いつものようにしないんだなって…」

「して欲しかった?」

「い、いいえ…」

「ならいいじゃん。もう何度も入れないからね。ゆっくりたっぷり浸かる。」

「あっ…はい…」

「たっぷり浸かったルリを喰うからいいよ。」

「へっ…」

「楽しい時間はあっという間だな。」

「そうですね。なんだか寂しいですね。女将さんいい人だし、料理は美味しいし、自然も素敵だし…」

「俺は?」

「ハルトは一緒に帰るじゃないですか。」

「そうだけど…」

「山イチゴありがとうございました。
ケーキ、とても嬉しかった。すっかり誕生日だと忘れていて…
草木染め、なんで一緒にしてくれないのかと思っていました。」

「俺が山の斜面のイチゴ採ってたのに?イチゴの木にトゲが生えてるんだよ。そぉっと摘まないと潰れちゃうしさ。結構頑張った。」

「あ、ありがとうございます。」

「お礼はいいよ。ルリのイチゴいっぱいもらうから…」

「………」
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