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***堕散る(おちる)***
第24章 step24十八段目…春
り…ルリ…
ン…月には行かないから…
っはぁ…いっとけば良かった。
ン…だから…月には行かないから…
「ルリ…朝産みたて卵を取りにいくんだよ。」
卵…卵割るのは…ハルトに任せ…ン…ハルト?
「あぁ、ここんとこ寝ぼけが酷いぞ?」
っあ…おはようございます…
「ほら、卵取りにいくぞ?」
「卵?」
「そう、昨日女将さんと約束したんだ。産みたて卵を取らせてくれるって、
それで卵かけご飯するんだぞ?」
「あっ、はい。」
ハルトに手を引かれて起こされて裸で寝てしまったったと思い出す。
っあ…
「もう、いいから早くこれ着てっ」
畳んだままの浴衣をハルトが拡げて着せてくれる。
「あの…」
「雄鶏が鳴く前にほとんどの鶏が卵を産んでしまうんだ。
産みたて卵のキャッチをするには早くっ…」
何となく状況はわかったものの、まだ寝ぼけた体を無理矢理ハルトに引っ張られた。
「ハルト?」
「女将さん、早いから起こさないって、置いて行かれるだろ?」
部屋を出ると、まだ薄暗い中で女将さんが玄関で待っていてくれた。
籠を片手に抱えて…