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***堕散る(おちる)***
第31章 step31 二十五段目…B1階 初仕事
「こっちへ来なさい。まずは君と俺が生活する部屋を案内しよう。」
王様は踵を変えて廊下を進む。
廊下はピカピカに磨かれていて裸足でも何も問題なかった。
そして裸の王様は裸のまま先を歩く。
途中で出くわすメイドさんや執事の身なりをした男性が黙って王様に会釈する。
やはり、王様はいつも裸のようだ。
玄関先で服を脱ぐことになって抵抗はあったけど、逆にこの被せられた布は、ワタシの服のようだ。
むしろ、王様と同じように裸で過ごせと言われるより良かったのだとわかった。
すっぽりと包まれた布で手を出すことは出来ないが、見られるよりはいい。
ワタシは王様の後をついていった。
「ここが俺の、今日からは俺たちの部屋だ。」
そう言って案内される。
ふかふかの絨毯に広い部屋。
昨日までの会社のハルトの部屋より広い。
「広いお部屋ですね。」
「ああ、この見えるスペースだけで40畳分ある。そして、バスルームにトイレ、あとワインセラーなどがある簡易キッチンだ。」
「この部屋だけで暮らせますね。」
「そのように作ってあるからな。」