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***堕散る(おちる)***
第31章 step31 二十五段目…B1階 初仕事

タオル布のバスローブを脱いで服に着替える。
いつもの丸をくり貫いたものでなく、四角い布で、三角に畳まれていた。
そして、合わせた辺の真ん中が縫われていて、折られた部分に袖を通すようになっているとわかった。
そして角には銀の飾りが止められていた。
着てみると、長いところで膝丈と、今までのものより短めだが、十分に隠せていて安心した。
サウナのドアの軋む音に王様が振り向く。王様は湯船に入らず縁に座り待っていた。
「可愛いな、天使みたいだ。」
「そうですか、てるてる坊主だと思いますが…」
「ブフッ…てるてる坊主…
言われるとそれにしか見えないじゃないか…
まあ、掛けて、ゆっくり湯に浸かって?
そうしないと浮いて捲れちゃうからね。」
ああ、これは飾りじゃなく錘なんだ。
四隅についた丸い銀の飾りの意味がわかった。
王様は構わず深い方に向かい泳ぎ始めていた。
ゆっくりと浸かって進んでいく、お湯はぬるめで泳ぐのが目的のようだ。
王様は魚のように波を立てずに泳いでいた。
「君は泳げる?」
「はい。」
王様がじっと見ているので泳ぎ始めた。

