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***堕散る(おちる)***
第9章 step9三段目…視覚(2)
もう少しでご褒美に預かれそうな筈が放っとかれるルリ…
悪いがそれも計算のうち…

俺はモノをしまい事務所を飛び出した。


ハルトがいなくなる…寂しい、心が?体が?
ワタシは座る。
ここにいていいの?
勉強を始める。

まもなくカダカダとドアが開く。

「入れっ」

険しい口調のハルト、
小柄な女性が押し込まれるように入ってくる。
思わず見てしまう。女性と視線が合い、慌ててプリントに戻す。

大学生かな…ワタシより年上なのは明らかだ。
ハルトが後から入る。
ワタシを見ていない…
女性を座らせ向かいに座る、仕事モードだ。

ピリピリとした空気が張りつめる…

ワタシも邪魔しないよう…上の空だけどプリントに取り掛かる振りだけでもする。

「名前は?」

「リサ」

「いくつ?」

「20」

やり取りの間にルリとリサが互いにチラチラとみて意識している。
いい感じだ…

防犯カメラを意識して、目線を送って罪を重ねる…
依存と独特の雰囲気を醸し出すリサという女の闇、病みが映し出されていた。

捕まえるのが目的で、更生させる場所ではない…
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