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***堕散る(おちる)***
第9章 step9三段目…視覚(2)
「サナエはね…
俺を一つの地獄から救ってくれた女神だよ」

ルリが聞き逃すまいと、俺を見ている。

「父親の一番だった女、
父親を殺してくれた女」

ハッとするルリがまだ不安な表情なのがわかる。

「サナエはね、その時のショックから
男を受け付けられなくなった…
女を愛する体になったんだよ」

ルリが息を飲む。

「だからリサに紹介した…
リサも女を愛する体をもっていて…
誰かに依存しないと生きていけない人間だから…
サナエと俺には、ルリが心配するようなことは何もないよ」

「すみません」

「なんで謝るの?」

「ワタシ変なこときいて、ハルトの嫌なこと思い出させて、」

「別に?ルリはサナエが俺とどういう関係なのか
心配だったんだろ?」

コクリ…頷くルリ

「ルリ、俺のオンナは今ルリだけだから…」

育成、訓練は、並行して何人か行うこともあるが
ルリほどの上玉となると、専念する。
訓練中に専念すると決めるほどのオンナは、あの見透かした瞳を持つアイツ以来かな…

ルリが涙していた…

「ルリ、泣いたら味わかんなくなるだろ?」

親指で拭う。

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