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***堕散る(おちる)***
第11章 step11五段目…視覚(4)
今できることはハルトと一緒にいること、ハルトの側にいれば、ハルトにできることもわかるようになるのではないか…

そう思えば、ハルトの悪戯は何ともない。
愛されず、人として扱われずに生きてきたハルトには、人が自分についてくるか試すという手段しかないのだろう。

どんなことがあろうと、ハルトについていく。
ワタシは決意した。

***************************

いよいよハルトの夏休み、ワタシはハルトと公園で待ち合わせる。
ハルトがどうしても迎えに来るというのを断れなかった。

ハルトの家に向かう、ハルトはわざわざ往復してくれるのだ。
ワタシはあまり人の家に呼ばれたことがない。
ましてやハルトの家、とても緊張していた。

「ルリ、なんだか静かだね。」

「緊張してしまって」

「ふうん」

ハルトの家はいつも乗り換える駅から2駅の駅近、あまり遠くなかった。
でもオートロックマンションの最上階。
凄いところに住んでて益々緊張してきた。

ワタシの荷物はハルトが持ってくれていて、
どうぞ、とドアを開けて先に通される。

数歩進むと、ドサリ…荷物を下ろす音がして
振り向く間もなく、後ろからハルトに抱き締められた。

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