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***堕散る(おちる)***
第19章 step19十三段目…始業式
振りほどこうとして顔を上げ声の主が判る。
「ハルト?」
どの駅なのかも構わず逃げようとしていたのだけど、そこは仕事場の駅だったのだ。
そしてぶつかったのは待ち合わせていたハルトだった。
「その鞄、俺の女のなんだけど?」
ワタシはハルトの後ろに隠された。
「俺の女になんか用?」
ハルトが低い声で言う。
男たちは鞄を投げ捨て逃げていく。
「次に会うことはないよな?」
ハルトのスゴんだ声が響く。
仕事場の駅は人の乗り降りが激しい。
改札口への通路に近い場所での騒動に周りの視線が集まる。
「ルリ、大丈夫?」
ハルトが鞄を拾いながら声を掛けてくれるが、震えも止まらず声も出なかった。
手をひかれて個室トイレに連れて行かれる。
「落ち着いたら出ておいで」
怖かった…
もし、降りたのがこの駅でなかったら、
ハルトがいなかったら…
どうなっていたのだろう。
でもハルトに知られてしまった。
注意を受けていたのに痴漢に合ってしまった。
合わす顔がない…
トイレに腰掛け、呼吸を整えるが、足の震えが止まらなかった。
少しずつ身なりを整える。
「ハルト?」
どの駅なのかも構わず逃げようとしていたのだけど、そこは仕事場の駅だったのだ。
そしてぶつかったのは待ち合わせていたハルトだった。
「その鞄、俺の女のなんだけど?」
ワタシはハルトの後ろに隠された。
「俺の女になんか用?」
ハルトが低い声で言う。
男たちは鞄を投げ捨て逃げていく。
「次に会うことはないよな?」
ハルトのスゴんだ声が響く。
仕事場の駅は人の乗り降りが激しい。
改札口への通路に近い場所での騒動に周りの視線が集まる。
「ルリ、大丈夫?」
ハルトが鞄を拾いながら声を掛けてくれるが、震えも止まらず声も出なかった。
手をひかれて個室トイレに連れて行かれる。
「落ち着いたら出ておいで」
怖かった…
もし、降りたのがこの駅でなかったら、
ハルトがいなかったら…
どうなっていたのだろう。
でもハルトに知られてしまった。
注意を受けていたのに痴漢に合ってしまった。
合わす顔がない…
トイレに腰掛け、呼吸を整えるが、足の震えが止まらなかった。
少しずつ身なりを整える。