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***堕散る(おちる)***
第22章 step22十六段目…初冬
美味しいけどスープの味なのか、巣の味なのかわからなかった。


でも、あまり訊くとハルトピータンみたいに、丸ごとを持ってきてと言いそうで、味だけ堪能した。

「お客サマー、ピータン1パックですー」

本当にパックのまま持ってきた。

かなり大きくて藁か粘土のようなものにくるまれていた。

ハルトが台に乗せてワタシの方へ回す。

不思議な卵を近くで見ていた。

「お客サマー、オメシアガリになりますかー?」

お召し上がり…なんて丁寧な言葉が片言で話される方が可笑しかった。

「後でお土産に包んで?」

「はい?モイチドおネガイー」

「あー、持ち帰り?」

「オカエリなりますか?
まだ料理沢山あるねー」

「ん…テイクアウト、アフター」

「あ、失礼シマシター、オミヤゲ、モチカエリ、テイクアウトねー」

「そうそう、オッケー」

もう不思議な会話を笑わないようにするほうが辛い。

美味しいし楽しい、中華晩餐…

店員さんが下がってから、

「コースで頼んでるのに途中で終わりにされたら堪んないよね。」

ハルトが小声で話し笑っていた。

「ピータンは元々保存食みたいなもんなんだ。
家に帰ったら割ってみようね。」


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