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***堕散る(おちる)***
第22章 step22十六段目…初冬
「あのー、さっきのお料理は何の唐揚げですか?」

「はい、◎△※◇ですー」

料理名を聞いてもわからない。

「魚ですか?」

「違うデスネー
猿です。」

「えっと、モンキー?」

ハルトがワタシと店員さんのやり取りを笑いながら見ている。

「はい、モンキーのノーです。」

「モンキーではない?」

「違うデスよー
モンキー、猿の
ノーです。」

店員さんが「ノー」と言いながら、こめかみを指差した。

「えっ…あの…
猿の脳ミソ?ですか?」

「はい〜、そです、そです。猿の脳ミソですー」

えっ…

「お猿さん、食べちゃうんですか?」

いや、食べてしまった…

ハルトは知っていたらしくニヤニヤ笑っている。

「中国ではー偉い人、頭ヨクナル言って、食べるですよ。
お猿さん、脳ミソだけ食べる。
他食べないで捨てるねー
頭ヨクナル高い食べ物ー」

ワタシは固まってしまう。

「おジョウさん、若い、食べて頭ヨクナルー」

そう言って、唐揚げを取り分けてくれる。

食べるのを待っているようで、じっと見ている。

ワタシはそれを口にした。

「オイシーですか?」

「は、はい…」

「これは熊の手ネー」

「ベアーズハンド?」

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