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***堕散る(おちる)***
第22章 step22十六段目…初冬
「ルリ珈琲そんなに好きじゃないでしょ?」

「っえっ?」

「珈琲タイムにルリはこのお茶飲んだらいいよ。
俺も飲むし…」

正直珈琲の味がわからない。ミルクと砂糖の味しかしないものを飲んでいた。

ハルトが、一度も言ったことがないのにそれに気付いていたことに驚いた。

「そうでしょ?」

「あ、薫りは好きですけど、じつは味は良くわかりません。」

「そうだよね。せっかくなら好きなものを選んでいったらいいよ。
ルリは何でも我慢し過ぎるから、」

ワタシはハルトにそこまで気にかけてもらえるだけで十分だった。
楽しくて幸せで…こんなでよいのだろうか…

ハルトの誕生日なのにワタシの方がいいことだらけで…

「ルリ?もう満足した?」

「はい、十分いただきました。」

愛嬌のある店員さんがレジまで案内してくれる。

ハルトが二人前のタピオカミルクを買っていたのは気になったが、キンモクセイのお茶やピータンを買って店を出た。


「あ〜腹いっぱい、中華は当分いいや」

「ハルト大丈夫ですか?」

「ああ、なんとか
ルリ他に食べたいものある?」

「へ…もう十分です。」


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