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真愛~美女と野獣より・孤独な王子と黄色い薔薇の物語~
第2章 王子の嫉妬

―恋に落ちるのに時間は関係ない。
いつかどこかで読んだ恋愛に関して描かれたエッセイの一文がふいに鮮やかに甦った。
あのときは何をくだらないと読みながら笑ってしまったが―。恋とは、本当に時間も何もないのかもしれない。
もし弟の指摘が真実ならば、俺はまさしく恋をしていることになる。殆ど知らないローズという女性に。
「彼女のことを調べろ」
トーマスは低い声で言った。背後に控えていた護衛官の年上の方がすかさず問い返す。
「それは公的にということですか、殿下。それとも、私的な調査ということでよろしいのでしょうか」
いつかどこかで読んだ恋愛に関して描かれたエッセイの一文がふいに鮮やかに甦った。
あのときは何をくだらないと読みながら笑ってしまったが―。恋とは、本当に時間も何もないのかもしれない。
もし弟の指摘が真実ならば、俺はまさしく恋をしていることになる。殆ど知らないローズという女性に。
「彼女のことを調べろ」
トーマスは低い声で言った。背後に控えていた護衛官の年上の方がすかさず問い返す。
「それは公的にということですか、殿下。それとも、私的な調査ということでよろしいのでしょうか」

