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真愛~美女と野獣より・孤独な王子と黄色い薔薇の物語~
第2章 王子の嫉妬

考えてみれば、彼の母も権力に魅力を感じるタイプではなかった。だからこそ、父王に最後まで心を寄せることができず、元恋人と寄りを戻したりしたのだ。
トーマスが薔薇の花束を贈ったときも、ローズは純粋に愕いていたようだし、こんな高い物を貰うわけにはゆかないと控えめだが、きっぱりと断った。高価な贈り物で彼女の気を惹くことはできないと、あの時悟った。
逆にいえば、そういう権力に媚びない、世俗的な女性でないところがトーマスにはよりいっそう好ましく思える。
トーマスが薔薇の花束を贈ったときも、ローズは純粋に愕いていたようだし、こんな高い物を貰うわけにはゆかないと控えめだが、きっぱりと断った。高価な贈り物で彼女の気を惹くことはできないと、あの時悟った。
逆にいえば、そういう権力に媚びない、世俗的な女性でないところがトーマスにはよりいっそう好ましく思える。

