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真愛~美女と野獣より・孤独な王子と黄色い薔薇の物語~
第2章 王子の嫉妬
 もしかしたら、これは運命の出逢いではないか。などと、一ヶ月前までの自分が聞けば、それこそ弟のように笑い出しそうなことを考えている。けれど、権力にも媚びず、幼い子どもにも惜しみない優しさを与えようとするローズのような女性こそ、皇太子妃にふわしいのかと改めて思わずにはいられない。


 いや、と、彼は首を振った。

 幾ら何でも、相手のことを殆ど知らないのに、結婚はないだろう。でも、と王子の悩みは続く。


 皇太子の妃にふさわしいかなんて、この際、どうでも良い。俺はローズについて、もっと知りたい。ローズの笑顔をいつも傍で見ていたい。それこそがアーサーの言うように恋に落ちたということであり、結婚は恋を永遠に成就させるための究極の手段ではないのか?
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