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真愛~美女と野獣より・孤独な王子と黄色い薔薇の物語~
第2章 王子の嫉妬

その日、ロザリナは大学の図書館で調べ物をしていた。課題の提出が二日後に迫っている。専門の〝エーデリンデ王国の中世史〟について、ロザリナはエーデリンデに後宮制度があった時代について調べているのだ。具体的にいえば、十七世紀後半に宮廷で絶大な権力を持ったというカトリーヌ皇太后について個人的に興味を持って調べている。
卒論も彼女の生涯について書こうかと思っているほど傾倒していた。
重厚な石造りの図書館はその建物自体が歴史的建造物そのもののように見える。室内は昼なお薄暗く、光が溢れる近代的図書館ではないが、その分、書架にぎっしりと並ぶ蔵書はどれも古めかしく、禁帯出になっている最奥の革表紙の分厚い本は中世に編纂されたもののレプリカだという。
卒論も彼女の生涯について書こうかと思っているほど傾倒していた。
重厚な石造りの図書館はその建物自体が歴史的建造物そのもののように見える。室内は昼なお薄暗く、光が溢れる近代的図書館ではないが、その分、書架にぎっしりと並ぶ蔵書はどれも古めかしく、禁帯出になっている最奥の革表紙の分厚い本は中世に編纂されたもののレプリカだという。

