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真愛~美女と野獣より・孤独な王子と黄色い薔薇の物語~
第2章 王子の嫉妬
 ロザリナズはわずかに後ずさった。陽の光の差さないほの暗い古めかしい図書館に立つ彼は、背後に無数の革表紙の本を背負っている。端正で精巧に彫り上げられたビスクドールのような美貌は一切の感情が消えていた。


―怖い、まるで初めて逢ったときの彼とは別人のようだわ。


 五月下旬の古めかしい図書館は、それでも空調が効いている。ひんやりとした周囲の空気が更に温度を下げたような気がした。


「ローズ、君はもう俺から逃げられない」
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