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真愛~美女と野獣より・孤独な王子と黄色い薔薇の物語~
第2章 王子の嫉妬
不思議な人。春風のように柔らかく優しい面を持っているかと思えば、先刻のように真冬の月のように冷たく無慈悲さをかいま見せる。
それでも、私はトーマスが好き。
怖いと思いつつも、彼と二人でいるとやっぱり、胸の鼓動は速くなるし、頬は熱くなる。
でも、何故、彼はあんなことを言ったの?
―たとえ俺が君を妻として一人守り抜くと言っても、君は日本に帰るというのか!?
あれは遠回しに告白されたということなのだろうか。