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真愛~美女と野獣より・孤独な王子と黄色い薔薇の物語~
第2章 王子の嫉妬
 今し方、私が彼から逃げられないと言った。私は彼から逃げるつもりはない。けれど、彼に強制されたからといって、彼の傍にいるわけではない。私は独立した人間で、今はこの国に後宮制度があった時代とは違う。


 女は男の言うなりにも所有物にもならない。彼を好きだと思う気持ちと、彼に命じられて自分の生き方を決めるのとは違う。

 トーマスのように優しい人なら、きっと話せば理解はしてくれるだろう。でも、もし理解してくれなかったら―。

 ロザリナの瞼に先刻のトーマスの冷めた表情がまざまざと甦った。
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