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真愛~美女と野獣より・孤独な王子と黄色い薔薇の物語~
第2章 王子の嫉妬
「今日は公式の訪問ですか、それとも、私的な視察―」

 言いかけた人物に向かい、トーマスがシッと制した。ロザリナは慌てた。

「トーマス、その方は畏れ多くも」

 言いかけたロザリナに、彼はまるで堕天使はかくやと思うばかりの魅惑的な笑顔を見せつけた。

「初めまして。アーサー・ハミルトン・エルデリアです」


 ロザリナは深々と頭を下げた。これが自分の研究している中世であれば、スカートの裾を摘んで優雅にお辞儀をしなければならない場面だろう。だが、生憎、現代はたとえ王子相手でもそこまでする必要はなく、第一、女性はそこまで長いスカートを穿いて脚を隠す必要もないのだ。
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