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真愛~美女と野獣より・孤独な王子と黄色い薔薇の物語~
第2章 王子の嫉妬
「で、殿下にお眼にかかり、真に恐悦至極にて」

 何と挨拶すべきか考えた末、ようよう言い出すと、当のアーサー王子は声を上げて笑った。見るからに陽気な質らしい。

「君、一体、いつの時代に生きてるんだい? 今は二十一世紀で中世じゃないんだよ? その科白はまるでヒストリカル小説に出てきそうだね」


「す、済みません。私、本物の王子さまとお話しするのは初めてで」

「本物の王子さま?」

 アーサー王子は素っ頓狂な声を上げた。興味津々といった視線がロザリナと傍らのトーマスを忙しなく行き来する。
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