この作品は18歳未満閲覧禁止です
真愛~美女と野獣より・孤独な王子と黄色い薔薇の物語~
第2章 王子の嫉妬
アーサーは屈託ない様子で言った。
「心配しないで。【トーマス君】とは遠い親戚に当たるんだ。子どもの頃からの顔見知りだから、普段からずっと、こんな調子なんだよ」
「アーサー、お前」
トーマスがいきりたつのに対し、王子は澄ましている。
「トーマス、本当なの? トーマスが本物の王子さまと遠い親戚だなんて知らなかったわ」
「ハ、こいつは良い」
アーサー王子は何が面白いのか〝最高だ〟と愉快そうに笑っている。