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真愛~美女と野獣より・孤独な王子と黄色い薔薇の物語~
第2章 王子の嫉妬
「判ったよ、だから、そんな怖い眼で睨まないでくれ」

 アーサー王子が参ったと両手を挙げる前で、トーマスはロザリナの手首を掴んだ。

 その時、数人の女子学生が禁帯出の資料を探しにきた。彼女たちの口から一斉に溜息とどよめきが洩れた。


 それもそうだろう。イケメンで女関係についての派手さが常にテレビやマスコミを賑わせているこの国の第二王子が生で見られるのだから。この場にいる王子が一人だと固く信じているロザリナには、それゆえに彼女たちの囁きが今一つ理解できなかった。
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