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真愛~美女と野獣より・孤独な王子と黄色い薔薇の物語~
第3章 真夜中のプリンセス・ベル
 彼は自分も買ってきたらしいバニラシェークをひと口含んだ。

「いかにも兄上の好みらしいといえば、いえるけど」

 その物言いに、何か引っかかるものを憶えた。

「兄上?」

 アーサー王子の落ち着き払った顔に少し朱がさした。

「いや、遠縁だから、僕は小さい頃からあの人を〝兄上〟と呼ばせて貰っているんだ」

「そう、ですか」

 納得はできるが、何故かパズルの最後の一枚が見つからないような、もどかしさが残った。
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