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真愛~美女と野獣より・孤独な王子と黄色い薔薇の物語~
第3章 真夜中のプリンセス・ベル

ミッシェルはアーサー王子よろしく、恋人が途切れたことがないという発展家だ。その親友のミッシェルのアドバイスを半ば上の空で背中で聞いて、ロザリナはその日の午前七時、街並み保存地区のいつもの場所でトーマスを待った。まだ早朝とて、花屋のサイモンも店を出していない。他の露天商も似たようなものだ。
露天商も観光客の姿も殆どなく、いつもは雑踏でごった返している界隈を行き交う人はまばらだ。
ロザリナは腕時計を覗き込んだ。午前七時五分。いつも待ち合わせの時間に几帳面な彼には珍しく遅刻だ。ほんのちょっとだけ胸騒ぎを感じてうつむき、ヒールのかかとで石畳を蹴った。
露天商も観光客の姿も殆どなく、いつもは雑踏でごった返している界隈を行き交う人はまばらだ。
ロザリナは腕時計を覗き込んだ。午前七時五分。いつも待ち合わせの時間に几帳面な彼には珍しく遅刻だ。ほんのちょっとだけ胸騒ぎを感じてうつむき、ヒールのかかとで石畳を蹴った。

