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真愛~美女と野獣より・孤独な王子と黄色い薔薇の物語~
第3章 真夜中のプリンセス・ベル
「トーマス、止め―」

 止めようとしても、離れた唇はすぐにまた重ねられるので、声さえ出せない。呼吸すら奪うような烈しいキスは執拗に続いた。漸く彼が放してくれた時、ロザリナは身体中の力が抜けて彼が支えていなければ崩れてしまうところだった。



 トーマスが人差し指を伸ばし、ロザリナの口許を拭う。銀色の糸が彼の指から滴っている。それが自分の唾液だと気付いた刹那、ロザリナの雪のように白い頬が染まり、涙が溢れそうになった。
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