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真愛~美女と野獣より・孤独な王子と黄色い薔薇の物語~
第3章 真夜中のプリンセス・ベル
「やだっ」
顔を背けるロザリナの耳に、トーマスが妖艶な笑みを浮かべる。彼のこんな大人の男の顔を見たのは初めてだ。初めてのことばかりに、戸惑うしかない。
おずおずと顔を上げると、彼が見せつけるように指を舐めた。先ほどロザリナの唾液のついた指を美味しそうに舐めている。
「―!」
最早言葉も出せず、ロザリナは首筋まで染めてうつむくしかない。生まれて初めて経験した大人の世界はどこか淫靡だった。