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真愛~美女と野獣より・孤独な王子と黄色い薔薇の物語~
第3章 真夜中のプリンセス・ベル
「ええ。確か、あなたに初めて逢った日だったかしら」
「そうそう、俺が似顔絵を描いてくれるかって君に訊いたら、君がそう言ったんだよ」
彼はしばらく夕陽に乱反射する湖面を眼を細めて見ていた。
「やっぱり、日本に帰りたい?」
「うん」
ロザリナは小さく頷いた。
「生まれ育った祖国だし、父や母もいるから」
「俺では駄目なのか? 俺がずっと傍にいても、エーデリンデでは淋しいのか? 日本の方が恋しい?」