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真愛~美女と野獣より・孤独な王子と黄色い薔薇の物語~
第3章 真夜中のプリンセス・ベル
 そして、それらの称号はすべて国王から与えられるものであり、有名無実とはいえ、権威と名誉あるものだと見なされていた。

 トーマスは貴族の子弟なのだろうか。

 そう考えれば、彼の洗練された立ち居振る舞いや今日一日の夢のような時間も納得はゆくような気はするけれど―。

 そこまで考えた時、トーマスの熱っぽい囁きが耳に注ぎ込まれた。

「とても素敵だ、そのドレス」

 ハッと顔を上げ、彼を見つめる。

「似合ってないんじゃない? こんなドレスなんて着たことがないから」
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