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第4章 真実の愛に気づく瞬間

　カレンダーは既に七月に入っている。図書館を出てすぐの広場には、この暑さのせいか、学生はいない。ロザリナはベンチに座り、デイパックからスケッチブックを取り出した。描きかけの二枚の絵をじっと眺める。


　涙の雫がポトリと落ち、美麗な王子の頬を濡らす。それはまるで、絵の中の王子も泣いているようだ。


「やはり、ここにいたんだ」


　ふいに声が降ってきて、ロザリナは飛び上がった。