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真愛~美女と野獣より・孤独な王子と黄色い薔薇の物語~
第4章 真実の愛に気づく瞬間
呟き、ひっそりと笑う。彼は兄王子の肖像に落ちた涙の跡を指で撫でた。
「君も兄上を好きなんだろう?」
「―」
ロザリナは唇を噛みしめる。応えられるはずもなかった。
「兄上が国王陛下に離宮を私用で使う許可を願い出ていたのは知っているよ。その頃、俺にこんなことを訊きにきてね」
―彼女ができたんだが、プロポーズしたいと思っている。ディズニー映画が好きみたいなんで、そのシチュエーションで求婚したい。